蒸留酒と醸造酒の違い
蒸留酒と醸造酒の違いについて

お酒は基本的に2種類に分類されます。ビール、ワイン、日本酒は「醸造酒」。スピリッツと言われるジン、焼酎、ウォッカ、ラム、テキーラ、ウイスキーは「蒸留酒」になります。

同じアルコールでも製造工程や味わい、酔い方など様々な違いがあります。今回はこの醸造酒と蒸留酒の違いについて分かりやすくまとめてみましたので、参考にしてみてください。

蒸留酒と醸造酒の違い

蒸留酒と醸造酒の違いはビール、ワイン、日本酒のような穀物や果実などを発酵させて造ったお酒が「醸造酒」その醸造酒を蒸留したお酒、ジン、焼酎、ウォッカ、ラム、テキーラ、ウイスキー「蒸留酒」というお酒の種類になります。

蒸留酒と醸造酒の主な特徴と違い

蒸留酒と醸造酒は「アルコール度数」「飲み方」「酔い方」の3つ特徴の違いに分けることができます。

■アルコール度数
「蒸留」とは、液体を沸騰させたときの蒸気を冷やし再度液体に戻すことで、純度を高める方法です。アルコールの沸点は約78度、水は約100度ですので、醸造酒を温めるとアルコールが水分よりも先に沸騰し蒸気になります。

この蒸気を冷やすことでアルコールが凝縮されるため、蒸留酒のほうが醸造酒よりもアルコール度数が高くなります。

■飲み方

醸造酒はビールやワイン、日本酒など食事と合わせて飲まれることが多いお酒です。。これらは発酵された原料の豊かな味や香りをそのまま楽しめるため、お酒と食事を楽しむペアリングは、醸造酒で行われることが多いです。

蒸留酒はウイスキー、焼酎、ウォッカやジンなどは、水割りやソーダで割ったり、カクテルで食前酒や食後酒としても人気で、様々な飲み方をすることができます。また、ロックやストレートで時間をかけてゆっくり飲む飲み方も蒸留酒の魅力と言えます。

■酔い方
実は、醸造酒より蒸留酒のほうが、酔いがさめやすく二日酔いにもなりにくいと言われています。

蒸留酒は純度の高いエタノール以外のアルコールが取り除かれ、不純物が少なくなるため体内で「分解されやすい=二日酔いになりにくい」ためとされています。

それでもアルコールは、二日酔いや悪酔いなどは個人差があります。また安価なお酒の中には、不純物の除去が十分ではないものもあるそうなので、蒸留酒であっても二日酔いや悪酔いしやすいものもあります。お酒選びには注意をしていただき、適切な量にして楽しく飲み、楽しいお酒との付き合い方をしてください。

醸造酒の代表的なお酒と特徴

ビールについて
ビールとは

ビール

ビールは、デンプンを糖へと分解する糖化と呼ばれる工程と、その糖を酵母により発酵させる工程を別々に進行させる、単行複発酵で造られます。

ビールは日本の食中酒の中でも特に好まれるお酒で「とりあえず生」という言葉も当たり前のように最初の注文で呪文のように発せられるのではないでしょうか?また、近年ではご当地クラフトビールや海外のクラフトビールがお店にも色とりどり彩られ、ユニークな酒屋のショーケースの目立っています。

ワインについて
ワインについて

ワイン

最古の醸造酒と言われるワインは芳醇な香りと味わいを楽しめます。ブドウを樽で醸造しアルコールに変えるとてもシンプルなお酒ですが、ボルドーやニューワールドなどの地域や甘口、辛口、赤や白など種類が幅広い特徴があります。

また、食事と合わせて飲むことで口の中でワインがソースのように絡み合い美味しくいただくことをマリアージュと言います。

日本酒について
日本酒について

日本酒

日本の代表的な醸造酒が日本酒はご存知の方も多いと思いますが、お米が主原料のお酒です。

日本酒は、米・麹・水の3種類だけで造られ「純米酒」と、醸造アルコールを混ぜた「本醸造酒」に大きく分かれます。お米の華やかな風味やうまみを味わいたい方は純米酒、爽やかでキレがある飲み口が好みの方は本醸造酒がおすすめです。

さらに、日本酒は使うお米の精米具合によっても種類が細かく分けられ、それぞれ味も違います。食事やシーンによって変えてみてはいかがでしょうか。

蒸留酒の代表的なお酒と特徴

rokumoji craft gin 2022 special edition
ROKUMOJI GIN

ジン

ジンは蒸留酒に”ジュニパーベリー”という木の実を加えたお酒の事を言います。ジュニパーを加えるという以外の定義は少なく、様々なボタニカルと呼ばれる植物やハーブを加えて様々なメーカーが香り豊かなジンを造っています。

ROKUMOJIはジンを開発、販売をしていて、ボタニカルは日本の森林資源や新潟地域の素材を活用した爽やかでグリーンでウッディーなジンを造っています。

焼酎について
焼酎について

焼酎

焼酎は米、芋、麦や黒糖が主原料です。

米や麦を使った焼酎は比較的シンプルでスッキリとした味わいですが、芋や黒糖焼酎は独特のクセや濃厚な味わいが特徴的です。最近の芋焼酎はユニークなものが多く芋だけでライチやマスカットのような風味を生み出す技法があり、バラエティ豊かで飲みやすいものも多くなってきました。

ウォッカについて
ウォッカについて

ウォッカ

ウォッカは大麦、小麦、ライ麦、ジャガイモが原料で、ロシアをはじめとする北欧圏で多く造られているお酒です。蒸留の過程で白樺の炭でろ過されるため、アルコール臭以外は無味無臭のものが多いことが特徴として挙げられます。

冷凍庫で冷やしたウォッカをショットで飲むことも多いですが、無味無臭のため、オレンジジュースで割るスクリュードライバーやジンジャエールで割るモスコミュールなど、お酒独特の風味が苦手な方でもカクテルにすると飲みやすいため、実は飲みやすいのに強いというものも多いです。

とても飲みやすいカクテルは女性を口説くために使われる「レディーキラーカクテル」というものもあるため、飲みやすいカクテルには注意をしてください。

ウイスキーについて
ウイスキーについて

ウイスキー

ウイスキーは大麦・小麦・トウモロコシを使って製造され、蒸留後に木樽で熟成させるのが特徴です。ウイスキーは原料によって種類が分かれ、大麦麦芽のみを使ったものをモルトウイスキー、小麦やトウモロコシなどの穀物に大麦麦芽を加えたものをグレーンウイスキーと呼びます。

世界には5大ウイスキーと呼ばれるウイスキーがあり、スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、そして日本です。ウイスキーは産地によって作り方が厳格に決められている地域も多く、例えばバーボンはアメリカ合衆国の法律で「原材料のトウモロコシの含有量は51 %以上であること」「アメリカ合衆国で製造されていること」「新樽のオーク樽で熟成すること」「80 %以下の度数で蒸留されていること」「熟成のために樽に入れる前のアルコール度数は62.5 %以下であること」「製品として瓶詰めする場合のアルコール度数は40 %以上であること」など規定があります。

テキーラについて
テキーラの原料アガベ

テキーラ

テキーラはメキシコで作られるアガベというサボテンの仲間を原料にした蒸留酒です。独特の香りがあり、主にストレートやショットで飲まれることが多いですが、テキーラサンライズなどのカクテルも有名です。

テキーラもウイスキー同様にメキシコで作られたものだけをテキーラと呼ぶことができる世界で決められた規律があるため、他の国や地域で同様の製法で作られたとしてもテキーラと呼ぶことができません。

ラム酒について
ラム酒について

ラム

ラムはサトウキビを原料とした蒸留酒です。甘味が強く南国のような独特な香りがします。起源は定かでは無いのですが、カリブ海から伝わったとされていて、海賊などが飲むイメージがあるため、ラベルには海賊がデザインされているものも多いです。

醸造酒と蒸留酒の英語表現

醸造酒:brewage、brewed liquor

蒸留酒:distilled liquor

醸造酒と蒸留酒の歴史

ワインの醸造は、新石器時代後期のメソポタミア地方で始まったといわれており、エジプトでも紀元前3,000年頃に酒壺やワイン醸造が行われていた壁画が残っています。

蒸留酒は蒸留する技術が必要なため、醸造酒よりも後になります。アルコールの蒸留は11世紀頃に医療用として南イタリアが起源という説があり、16世紀の終わり頃にウイスキー、17世紀にジンやラムなどがヨーロッパで広がりました。

ジンについては、オランダ地方のジュネバが起源とされており、それらが、イギリスに渡りロンドンドライジンとして世界に広まっていきました。

まとめ

蒸留酒と醸造酒の違いについて説明してみましたが、実は知らないことも多かったのではないでしょうか?是非、お酒の知識を深めて、味わうことで、よりお酒が美味しく感じられると思います。

またこうした記事を徐々に増やしていきたいと思います。

ご愛読いただきまして誠にありがとうございました。