ジンを簡単に説明しますと、蒸留酒にジュニパーベリーをという木の実を加えたお酒です。今回はこのジュニパーベリーについてお話をしていきたいと思います。

セイヨウネズ (西洋杜松、Juniperus communis) は、ヒノキ科ビャクシン属の針葉樹である。全ての樹木の中で最も広い分布域を持つものの1つであり北半球の寒い地域全域に分布する。北極から北緯30度程度までの北アメリカ、ヨーロッパ、アジアに自生する。(wikipedia参照)
wikipediaを見ても、あまり詳しい情報が無いジュニパーベリーという植物ですが、主にヨーロッパなどの寒い地域に自生するヒノキ科の木の実で、松脂のような香りの植物です。お茶やお肉料理などのハーブとしても利用されることが多く、解熱、利尿作用があるとして昔は主に薬として使われていました。

日本のジュニパー
ジュニパーと言うと、あまり馴染みが無いですが、日本でも古くから知られており、その主な使い道として有名なものが盆栽です。
ジュニパーは日本語で杜松(ネズ)と呼ばれ、セイヨウネズとは少し違う種類になるのですが、昔は杜松の硬い針葉をネズミ除けに使っていたことから「ネズミを刺す」という意で「ネズミサシ」と呼ばれ、それが短くなったことから杜松(ネズ)になったと言われています。
日本では東北地方以南の日当たりの良い丘陵地帯や花崗岩地に自生している。痩せた土地でも育ち、松枯れによって松が消えた跡地に増えることもある。
近年ではクラフトジンの広がりにより、和製ジュニパーベリー採取を目的としてネズミサシやセイヨウネズの苗木を育てているところ多くなってきました。

ジュニパーベリーの歴史
ジュニパーは、コレラやペストのような多くの伝染病に対して古くから薬として利用されていた記述があります。ジュニパーベリーは古くから利尿作用などの薬効が知られており、ペストが大流行したときはマスクに詰められていたりしたそうです。11世紀頃には既にジュニパーベリーを主体としたスピリッツを造っていたという記録が残されており、これがジンの発祥という説が現在では有力となっています。(ジンの歴史)
ジュニパーには疲労した精神をリフレッシュさせる力があり、旧約聖書でも預言者エリヤが疲れ切ってジュニパー樹のもとで眠ったことが記述されています。

ジュニパーベリーの効果・効能
ジュニパーベリーの効果・効能には、殺菌、利尿、消化促進、消炎作用があります。ハーブティーにすると、主に消化不良の改善が期待できます。
薬用としては、膀胱炎や尿道炎、腎炎、リウマチ、痛風、関節炎、ガス、消化機能不全など、広範囲の疾患に使用されています。
また、ジュニパーベリーには、血糖値を下げる作用があると考えられているため、血糖降下薬の投与中にジュニパーベリーを摂取すると、血糖値が下がりすぎてしまう恐れがあるので、特に妊娠・授乳期の方、腎臓疾患の方は注意する必要があります。

ジュニパーベリーの利用
ジュニパーベリーは近年、ジンの流行とともに多くの方に知られるハーブになりましたが、それまではハーブティー、スパイス、アロマとしての利用と認知がされていました。
ハーブティーやアロマでは先程お伝えしました薬効などの期待がされ、お肉の臭み消しやアクセント、ソースやピクルスなどでもハーブとして今でも使われることも多く、とても人気があるハーブの1つです。
まとめ
今回はジンとは切っても切り離せないジュニパーベリーについてお話をしていきましたが、いかがでしたでしょうか?
古くから薬として利用され、ジンも最初は解熱や利尿作用の薬として開発されていることから、薬効を主として使われることに驚いた方も多いのではないでしょうか?
ジュニパーベリー自体もとても香りが良く美味しいハーブの1つですが、美味しすぎて過剰摂取や多量の飲酒には注意が必要となります。何事もほどほど、適度に。