ろくもじロゴ

今日はお酒にまつわる闇を暴露していきます。皆様「スピークイージー」という言葉は耳にしたことありますでしょうか?スピークイージーとは「アルコール飲料の密売所」という意味です。

スピークイージーの先駆けをつくったお酒が「オールド・トム・ジン」いわゆるトムジンと呼ばれ少し砂糖が入った甘いジンのことです。そんなジンとの関係も深くいかにも闇社会のような「密売所」について今回は暴露をしていきます。

Prohibition
お酒が禁止されていた時代

オールド・トム・ジンとは?

スピークイージーの事についてお話する前に、オールド・トム・ジン(以下:トムジン)とは何かを説明いたします。

トムジンとはイギリスで18世紀頃に製造されたジンで簡単に言うと砂糖が入った少し甘いジンです。ジンと製造方法はほとんど変わらず、グレーンスピリッツにジュニパーベリーと数種類のボタニカルを加えて、そこに2%未満の砂糖を加えて作られるジンのことです。

砂糖を加えた理由は当時のジンは雑味が多く、飲みにくかったため、砂糖を加えることで飲みやすくしたことが始まりとされています。

Prohibition
トムジンのラベルは猫のラベルが多いです

トムジンの歴史

18世紀頃のイギリスで粗悪なジンが社会に広がり、スラム街や治安が悪くなったことで、ジンの製造が厳しくなったため、ジンへの課税を上げ、実質、禁酒法時代のような規制がつくられました。

しかし、アメリカの禁酒法時代同様に、密造や密売が増加。キャプテン・ダドリー・ブラッドストリートという通りがあり、そこにジンの密売所の目印である黒猫(Old Tom Cat)の看板があり、猫の前足の看板の下にお金を入れると隙間から1ショットのトムジンが出てくるという、現代でいう自動販売機のような仕組みで密造酒が密売されていました。

これがアルコールの密売所、スピークイージーの走りとなって、猫の看板の由来からオールド・トム・ジンと呼ばれるようになりました。

Prohibition03
禁酒法時代の映画も

スピークージーの歴史

スピークイージーのはじまりは先程述べたように18世紀イギリスでキャプテン・ダドリー・ブラッドストリートの密売所がきっかけではありますが、本格的にスピークイージーという言葉は1889年、ペンシルベニア州にある無許可バーが「スピーク・イージーズ」と呼ばれていたことがきっかけとされています。

これは公共の場などで、警察や隣人から、その無許可バーを知られないようにするために、通称・呼称されるようになったとして。この名付け親は1880年第に無許可バーを経営していケイト・へスターが提唱した言葉とされているそうです。

アメリカの禁酒法時代では、スピークイージーは最も規模の大きいビジネスの1つとなっていたそうです。都会はもちろん、多くの農村部の町でも小規模なスピークイージーが地元の実業家によって経営されていたそうです。

アメリカの禁酒法時代にスピークイージーの場所として使われていたニューヨークにある21クラブは当時では最も有名なスピークイージーであり、今もなおバーとして経営されています。

Prohibition04
スピークイージー:21クラブ

スピークイージーの文化

スピークイージーは禁酒法時代ではもちろん違法な場所ではあったが、そこでは様々な文化が生まれたそうです。スピークイージーでは、有色人種、黒人、白人といった全人種が集まって交流していて差別がはほとんどない場所だったそうです。

スピークイージーに女性客が増加すると、女性客をさらに呼び込むビジネスが生まれたそうです。その他にも粗悪なジンやトムジンの雑味を消すために砂糖を入れる文化は今のカクテルにも精通するところがあり「レディーキラーカクテル」もこうした文化で生まれたカクテルの一つではないでしょうか?

禁酒法で、お酒を取り締まる警察官を増員したことで、その時代が終わると仕事が無くなるために、大麻を違法にして、取締りをしたそうです。現在のヨーロッパやアメリカでは大麻合法化が進んでいますが、ほんの少し前までは大麻の違法取引で大きなビジネスが成り立っていたため、お酒と大麻は歴史として似たような経緯があります。

Prohibition06
地下で造られる密造酒

スピークイージーの呼び名

スピークイージーという名前は他の地域ではブラインドピッグやブラインドタイガーという呼び名もされているそうです。最も一般的なアルコールの密売所の呼び方としては、やはり一般的にはスピークイージーになります。

まとめ

禁酒法があったからこそ生まれたスピークイージーの成り立ちや文化などについてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?こういうお酒の歴史を知ると、その時代のお酒がどうしても飲んでみたい!行ってみたいと思ってしまいます。