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日本にあるジュニパーベリー

ジン、クラフトジンの定義として【ジュニパーベリー】が入ったお酒というのはご存知でしょうか?簡単に言うと、ジュニパーベリーが入ったお酒を”ジン”と呼びます。ジュニパーベリーが入らなければ、ジンではないということです。

一般的にはジンはオランダが起源で、イギリスから広く世界に伝わったお酒なので、ジュニパーベリーは「セイヨウネズ」の木の実を使用しています。

しかし近年のクラフトジンブームで、セイヨウネズ以外のジュニパーベリーでジンが造られるようになりました。例えば、アフリカのジンであるプロセラはアフリカンジュニパーといって、ケニアの高地に自生し、標高1,500m以上の高地でしか成長しない独自のものを使用。サイレントプールのプレミアムジンではブータンの標高4,000メートル付近に自生するブラックジュニパーベリーをするなど、多くの蒸留所が独自の新しいものを使っています。

そこで、今回は日本のジュニパーベリーの1つである「ハイネズ」のご紹介をします。

日本には何種類のジュニパーの木がある?

日本では数種類のジュニパーベリーの木が存在します。ジュニパーとはビャクシン属の杜松(ネズ)の木になる木の実のことを指します。下記に日本に自生する代表的な杜松の木を紹介します。

ハイネズ
ネズミサシ
イブキ
ハイビャクシン
カイズカイブキ
ミヤマビャクシン
リシリビャクシン
ホウキネズ

上記以外にも種類はあると思いますし、それぞれの地域で呼ばれ方も異なります。
杜松の木は、とくに珍しい植物でもなく、ネズミサシやビャクシンは盆栽でも良く見かけますし、カイズカイブキなんかは、庭木の柵としての活用で良く使われる木です。もちろん、今回のハイネズも場所によっては多く見かけるジュニパーになります。

地面を這うように育つハイネズ(雄)

ハイネズについて

北海道、本州、四国及び九州に分布するヒノキ科の低木。海岸の砂地や岩場に自生し、地を這うように育つこと、葉がネズ(杜松/ネズミサシ)に似ることから、ハイネズと呼ばれる。日本以外では樺太に分布。

葉っぱはトゲトゲしていて、手袋なしでは、血がでるほど鋭い葉を持ちます。雄花と雌花には下記のような違いが見られます。

雄のハイネズ
雌のハイネズ

ハイネズのジュニパーベリーの香り

ハイネズの雌に実るジュニパーベリーの香りですが、セイヨウネズに比べると香りの強さは少ないと感じられますが、日本独特の優しい香りがします。表現が難しいのですが、イメージで伝えますと、和食は味が薄くつくられますが、美味しいですし、洋食は味が濃いものも多いですが、美味しい。ワインは日本酒に比べると味わいが濃いですが、どちらも美味しいお酒というように、日本らしい優しいジュニパーベリーの香りがします。

左:ハイネズの葉、右:ハイネズの実

ハイネズの葉をスピリタスに漬け込み香りの調査をしました。

左:ハイネズの葉、右:ハイネズの実

スピリタスに漬け込んだハイネズの葉とハイネズの実を1週間漬け込み、テイスティンググラスにティースプーン2杯と同量の水を加えました。

ハイネズの葉:葉っぱらしい緑の爽やかな香りがあります。ジンのジュニパーベリーの香りかというと全く別物。植物特有の青臭さではない、緑の清涼感がある香りがします。

ハイネズの実:ジュニパーベリーだけを使用したジンですね。乾燥した実を使っていない分、香りにフレッシュ感が残り、非常に豊かで優しい香りがします。

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ROKUMOJIの創造

新潟県にはハイネズが多く自生しています。ROKUMOJIでは、今後、ハイネズを使用したクラフトジンづくりに加えまして、南魚沼の名水や自生する樹木、花、植物を活用した地域の里山問題や森林問題、経済に役立つ持続可能な開発と美味しいお酒造りを目指してまいります。日本のジュニパーベリーとセイヨウネズの違いもお楽しみいただけるかと思います。

まとめ

ジュニパーベリー、ハイネズについてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?まだまで、実験段階ではございますが、少しずつ開発を行いまして、ハイネズやその他の国産ジュニパーベリーの魅力を引き出していきたいと思います。
これからも少しずつ自然や植物の記事を書いてまいりますので、引き続き何卒よろしくお願いします。